■ マーティン・シルベスター展



□ コメント
「アート」のとらえられ方は人によって違う。しかし、その本質は人の
経験に基づく表現である。Accumulation(集積)は増加し、増殖する。
Accumulation(集積)とは、私の日本での滞在を意味する。見るもの、
感じるものを吸収し、それらを表現するための視覚的言語を洗練させて
いく。視覚的言語が、感じたものを目に見えるものに移行するのにどの
ように使われるのかに関心を持っている。「感じる」という経験は沢山
の形をつくりあげる。日本庭園の緑や形が、山々がつくる重なりの色合
い、崩れたり、くっついたりしながらいかに岩が形づくられたか、つく
ばいの形が着物の袖の形であると知ったときの喜び、それらすべてが私
の中で視覚的言語となって形成されていく。これらの多くは自然の中で
静止する石と美しい絹のように繊細さと優美さの二重性を持っている。
石そのものは熱い溶岩のマグマから産まれ、固まり、永遠性を持つ。枯
山水の庭の石は、多くの隠喩的な意味を人々に見せるが、同時に静かな
瞑想の世界へ招待する。静と動、無と価値。


□ 略歴
1961 イギリス生まれ
1983 Camberwell School of Art 卒業

個展
2004 ギャラリー白,ギャラリー白3           (大阪)