■ 善住芳枝展



□ コメント
台風のアジア名が気に入り、作品タイトルに借りている。Namtheunはラ
オス語で川の意。Dujuanは中国語でつつじを意味する。気象的にみれば
発達した熱帯低気圧。しかし、「ひまわり」も「アメダス」もない昔、
台風は大地に水の恵みをもたらす龍神の化身でもあった。
今年の龍神様は大層お怒りである。風神・雷神だけでは足りず、ついに
は地中の大ナマズまでしたがえて、執拗に日本列島を苦しめる。9月5
日、関西での強い地震。10月23日、新潟での相次ぐ烈震。
阪神淡路大震災に見舞われた1995年早春、たび重なる余震におびえ
ながら、私は絵画の魂をキャンバスに叩きつけていた。筆や刷毛を使わ
ず、ベニヤや布切れで絵具を伸ばすようになったのもこの頃。コントロ
ールしづらい道具を用いて絵具と格闘することで、押し寄せる不安を拭
おうとしていたのかもしれない。
そして、2004年。相変わらず格闘は続いているが、少しずつ色彩の
語らいに耳を傾ける余裕も生まれた。絡み合い、また拡散する色彩にも
自然の摂理は潜んでいるのだろうか。画面に無理に逆らおうとせず、素
直に手を動かす方が作品になりやすい。
自然は、時に荒ぶる姿を見せることはあっても、その本質はあくまでお
だやかに調和して悠久の時を刻み続ける。私も、その果てしない流れの
ひとしずくに過ぎない。一日も早い大地の鎮静を願いながら、私も自分
の奥深く、いのちの奔流を汲み上げ、いろ・かたちに留めていきたい。


□ 略歴
1964 伊丹市生まれ
1987 京都市立芸術大学美術学部卒業

個展
1990 ギャラリー白                   (大阪)
1991 ギャラリー白                   (大阪)
   ギャラリー古川                  (東京)
1992 ギャラリー白                   (大阪)
1993 ギャラリー白                   (大阪)
1995 ギャラリー白                   (大阪)
1996 ギャラリー白                   (大阪)
1998 ギャラリー白                   (大阪)
   第一生命ギャラリー                (東京)
1999 ギャラリー白                   (大阪)
   TeNBA−A                  (大阪)
2000 ギャラリー白                   (大阪)
2001 ギャラリー白                   (大阪)
2002 シィ・プラス・プラス・ギャラリー         (大阪)
   ギャラリー白                   (大阪)
2003 ギャラリー白                   (大阪)
2004 トアロード画廊                  (神戸)
   ギャラリー白                   (大阪)

グループ展
1988 善住芳枝・ニシムラユウリ展     (ギャラリー白・大阪)
   IBM絵画イラストコンクール  (ABCギャラリー・大阪)
1989 イマージュが生まれるとき      (ギャラリー白・大阪)
   ART LINE’89−絵画脱出点
               (大阪府立現代美術センター・大阪)
1990 空間が生まれるとき         (ギャラリー白・大阪)
1991 描く力−絵画の衝動          (信濃橋画廊・大阪)
1992 ’92兵庫の美術家      (兵庫県立近代美術館・神戸)
   Some aspects of painting      (ギャラリー白・大阪)
1994 セルフィッシュなミューズ−利己的な芸術神
             (ひらかた近鉄アートギャラリー・大阪)
   ’94兵庫の作家たち展     (海文堂ギャラリー・神戸)
1995 ペインタリネス           (ギャラリー白・大阪)
   現代美術7人展    (伊丹市立美術ギャラリー伊丹・伊丹)
   ウイメンズ’95    (大阪府立現代美術センター・大阪)
   第3回画廊の視点’95 (大阪府立現代美術センター・大阪)
1997 VOCA展’97−新しい平面の作家たち
                    (上野の森美術館・東京)
   ペインタリネス III         (ギャラリー白・大阪)
   No Finder      (SPACE JOY・大阪)
   1997 APOSTROPHE ART PART 2    (ギャラリー石彫・高砂)
   ’97兵庫の美術家      (兵庫県立近代美術館・神戸)
   1997 APOSTROPHE ART PART 3    (ギャラリー石彫・高砂)
1998 16人の基展           (画廊ぶらんしゅ・豊中)
1999 四つの表現展            (アトリエ西宮・西宮)
   現代日本絵画の展望展 (東京ステーションギャラリー・東京)
   1999 APOSTROPHE ART PART 6    (ギャラリー石彫・高砂)
2000 いのちのかたち−大西久・善住芳枝  (アトリエ西宮・西宮)
   16人の基展           (画廊ぶらんしゅ・豊中)
   2000 APOSTROPHE ART PART 7    (ギャラリー石彫・高砂)
2001 ペインタリネス X         (ギャラリー白・大阪)
   21世紀の表現 ART IN ART JAPAN  (姫路市立美術館・姫路)
   現代美術−茨木2001展
              (茨木市立上条青少年センター・茨木)
   2001 APOSTROPHE ART PART 8    (ギャラリー石彫・高砂)
2002 現代美術−茨木2002展 特集作家
              (茨木市立上条青少年センター・茨木)
2003 現代現代美術の斬新な切口       (比良美術館・滋賀)
   絵画を見る            (ギャラリー白3・大阪)
2004 絵画の「たのしみ」       (元麻布ギャラリー・東京)
                     (ギャラリー白・大阪)
   無限の源               (尼信博物館・尼崎)
   VOCA1994〜2003−10年の受賞作品展
                    (大原美術館分館・岡山)

受賞
1997 現代美術の展望−VOCA展’97 VOCA奨励賞

パブリックコレクション
第一生命保険相互会社
伊丹市