■ コメント

　家の近くに大きな古墳があり、たくさんのシラサギが住んでいてそれはまるで街に浮かぶ島のようだ。時々、その中にもぐりこみたい衝動にかられる。
　古墳の中には小さな部屋があるという。部屋の壁には絵が描かれているものもあり、何百年もの間、上部の森からしみでた雨水や泥で消されたり、ひびわれたりしている。その何かの痕跡のような壁に引きつけられる。
　私の中の記憶の壁は　今どんな状態なのか。それらに囲まれた部屋は、あの古墳の森の中に　どこか似ているのかもしれない。