北村 信樹 展
KITAMURA Nobuki


2010.12.6-12.11
ギャラリー白



■ コメント

- 痕跡 -

 自然は、人間がどうしても越えられない力を持っている。そこには自然のみが残し得る痕跡が存在する。その痕跡とは、人間を抱擁し魅了する力である。人間は自然の力に対して、何の力もなく、ただその力と時間に身を委ねるしかない。私もそのとてつもなく長い時間に身を委ねてみたい。自分は表現という方法で…。時としてたった一人の人間にその偉大なる力と匹敵する力を持つことが出来るのではないか。

 その時、自然の優しさ、強さ、寂しさを感じた。もしかしたらその感情は、自分自身がその時感じていた感情と同じものだったのかもしれない。自然は言葉を語れない。だが、自然は何かを訴えようとしている。ただそれに人間は、耳を傾けようとしないだけなのではないか。自分が裸になり自然に向き合った時、本当に自分にとって重要であり、必要な物事、感情を見つけることができる。

 私は土という自然に最も近い素材を使い、ある一つの空間を表現している。その空間にその時の感情を断片的に蘇らせる。私が作品を創るのは、その時の感情を自己の行為によって、もう一度確かめようとしているだけなのかもしれない。自然が私に与えてくれる感情を素直に感じ、それを自分の中にため込んでいく行為それが私のやらねばならぬことである。それが私の中で溢れ出したとき、その感情を作品として表現する。人間すなわち自分の力と偉大なる自然の力が融合した時、私が表し感じたい力が生まれるのかもしれない。

2010.12
北村信樹



□ 略歴

1972

京都府に生まれる

1996

京都精華大学美術学部陶芸専攻卒業

1997

オーストラリア国立大学キャンベラ美術大学留学

1998

京都精華大学美術研究科大学院修了

京都に築窯

現在

京都精華大学非常勤講師

 

個展

1996

ギャラリーマロニエ

(京都)

1997

オーストラリア国立大学ギャラリー

(キャンベラ)

キャンベラ市牧場

(キャンベラ)

2000

ギャラリーすずき

(京都)

2001

ギャラリーすずき

(京都)

2003

ギャラリーすずき

(京都)

2004

ギャラリーすずき

(京都)

2006

アートスペース感

(京都)

2008

石田大成社ギャラリー

(京都)

2009

ギャラリーマロニエ

(京都)

2010

ガレリアセラミカ

(東京)

ギャラリー白

(大阪)


グループ展

1997

二人展

(ギャラリー射手座:京都)

2000

比良から新しい風が

(ギャラリー射手座:京都)

2001

比良から新しい風が

(比良美術館:滋賀)

1997

二人展

(比良美術館:滋賀)

Session展

(大阪府立現代美術センター:大阪)

2003

無限の源展

(守山市民センター:滋賀)

2004

京都国際交流展

(京都市美術館:京都)

2005

京都府美術工芸新鋭選抜展〜2005 新しい波〜

1997

無限の源展

(尼信博物館:兵庫)

2006

無限の源展

(守山市民センター:滋賀)

 

無限の源展

(尼信博物館:兵庫)

2010

セイカのトウゲイ展

(ギャラリー恵風:京都)

 

ガレリアセラミカの夏展

(ガレリアセラミカ:東京)


公募展

1993

朝日陶芸展

1999

朝日陶芸展

2000

日本現代陶彫展

 

朝日陶芸展

2001

朝日陶芸展

2002

朝日陶芸展

2007

神戸ビエンナーレ


パブリックコレクション

 

京都第2回生病院
御前崎市役所