ペインタリネス 2014 <テキスト・尾崎 信一郎>

石川 裕敏・河合 美和・岸本 吉弘・善住 芳枝


2014.9.1-9.13 (9.7 close) ギャラリー白



ペインタリネスとキッチュ

尾崎信一郎


 「ペインタリネス」の画家たちと私はほぼ同じ時代を共有している。
私たちは1980年代の中盤に作家として、批評家として活動を始め、今日にいたるまでさほど大きくスタイルを変えることなく絵画を、テクストを発表してきた。活動を始めた時点にあってすでに抽象と具象というモードの区別はさほど意味をもたず、フォーマリズムというディシプリンの終焉もまた明らかであった。しかし私たちは愚直にも抽象絵画という立場をとり、作品を形式において批評してきた。今日にいたっても私たちはこのような態度を選んだことに誤りはなかったと信じる。
 ひるがえって私たちが画家として、批評家として仕事を始めた1980年代とはどのような時代であったか。おそらくそれは戦後の日本が最も繁栄し、平等で、寛容であった時代ではなかったか。それが実体のないバブル景気の徒花であったと批判することはたやすい。しかし少なくとも私たちはさらに良い未来を信じることができたし、9割の人々が自分たちを中流と感じていたのだ。果たしてこのような時代がかつて存在したであろうか。それは20年代のパリにおいても60年代のニューヨークにおいてもありえぬ、資本主義と民主主義が大きな矛盾なく共存しえた奇跡の瞬間であった。このような成熟した社会に特有の文化が生じることをかつてクレメント・グリーンバーグは「アヴァンギャルドとキッチュ」の中で説得的に論じていた。久しぶりにこの刺激的な論文を読み返して、私はここで論じられている問題が全く古びていないどころか、現在、不吉なリアリティーとともに浮かび上がりつつあることに驚いた。ピカソとレーピンを対比的に論じるこの論文は特定の時代や状況を主題とするのではなく、タイトルが示すとおり、ブルジョア社会に必然的に胚胎する二つの対抗的な文化を論じている。グリーンバーグによれば、アヴァンギャルドとは抽象であり、純粋性の探求である。そこにおいては「内容は形式の中にすっかり溶解してしまい、芸術あるいは文学作品は全体としても部分としても、それ以外の何ものでもないものとなる」むろん私はもはや時代遅れとも感じられ、実際に多くの批判を浴びてきたグリーンバーグのモダニズム絵画理論をなおも信奉することはないし、抽象であればよしとするつもりもない。私が強い危機感を抱くのは、「気晴らしに飢えている人々のために用意された代用文化」、キッチュが蔓延し、あまつさえ政策の中に位置づけられて海外に輸出されようとする今日の状況である。グリーンバーグはキッチュの本質を次のように説く。「キッチュは原料として本物の文化の劣悪でアカデミシズム化したまやかし物を用いて、この無神経さを歓迎し、奨励した。この鈍感さこそ、その利益の源泉である。キッチュは機械的で、一定の方式によって動く。キッチュは代理の経験であり、偽りの感情である。キッチュは様式によって変化するが、常に同じである」「キッチュは機械的に生産できるために、真の文化であったらならば決してありえない手立てで我々の生産システムの不可欠の一部となっている。それは夥しい投資で資本を得て、それ相応の収益を出さなければならないし、市場を守るだけでなく、拡大することを余儀なくされている」長い引用となったが、今、日本という国家が「クール・ジャパン」と名付けて称揚する一連の表現が気晴らしに飢えている人々のための「代用文化」である点は明白だ。むろん現在の政権にとっては、それらが「代用文化」であっても一向に構わない。それが日本という国の国威を発揚し、くだらないナショナリズムに貢献し、さらに「それ相応の収益を出す」ものであれば、エニシング・ゴーズなのであるから。
 私たちはこのような立場を拒否する。ここに出品する画家たちが自らの拠って立つ原理として抽象表現を選んだ理由は明らかだ。あたりまえのことであるが、私たちは絵画というメディウムから出発し、その本質の探求を試みてきた。石川裕敏と善住芳枝、中島一平はそれぞれ筆触やストローク、塗り重ねる行為を介して画家の挙措の痕跡としての絵画の成り立ちを追求する。岸本吉弘と渡辺信明はイメージが宿る場としての絵画の奇跡的な在り方に関心を抱いている。河合美和は物質的な記憶として一種未分化なイメージを提示する。明確な主題性とともに画面に向かった小田中康浩は絵画を描くことによって主題と同化しうることを発見した。画家たちは絵画によって現実に迎合するのではない。絵画によって現実に対峙するのだ。絵画における純粋主義は現実との接点を失うことを意味しない。
先日、私は東京で中村一美の個展に足を運んだ。私は中村の一連の作品が今日、真正の抽象絵画として圧倒的な存在感を放っていることに強い感銘を覚えると同時に、中村が震災やイラク戦争と関係づけながら新作を論じている点に共感した。アヴァンギャルドとしての絵画は一個の現実として陋劣な現実に拮抗しうる強度を備えなければならないのである。同じ中村がかつてグリーンバーグを援用しつつ、ニューマンの絵画を芸術と社会との葛藤を矛盾として表出したものとして評価する一方で、ステラのブラック・ペインティングを本来芸術が対峙すべき現実、すなわち社会的現実としてのヴォリュームと絵画の条件としてのフラットネスの戦いを回避したものとして批判したことを想起してもよい。
今日、抽象絵画が苦境にあるとするならば、それはキッチュの隆盛に起因している。今やこの国の政治家と官僚たちは国策としてキッチュを奨励し、誰にとってもわかりやすいにせものの文化を流通させようとしている。このような文化の再定義は現在の政権がめざす統制的、強権的な国民管理と表裏一体をなしている。私たちはわかりやすさ、気晴らしとしての美術に屈してはならない。美術の領域において真に革新的な表現、画期的な表現は常にわかりにくく、名状しがたき存在として登場した。作品の晦渋さこそが私たちのレゾン・ド・エートルである。震災と原子力災害の後、復興の糸口さえも展望できないまま、なんら正義のないオリンピックに向かって現在の政権は死に物狂いで国家主義的な体制再編を進めている。彼らが文化にどのような役割を求めているかは明らかであろう。私たちにはアヴァンギャルドの速やかな再構築が求められている。80年代の私はよもや自分が将来このような挑発的なテクストを草することになろうとは予想だにしなかった。しかし私は確言する。回避ではなく対決、今やペインタリネスとは美学ではなく、倫理的な要請なのだ。 


(おさき しんいちろう 鳥取県立博物館副館長)




□ 石川 裕敏


< Perspective >
遠近法、透視図法、見取り図、見通し、展望…

上手く言い表せない為幾分、抽象的な表現になりますが、終着地点を想定せず、下地が 塗られて点を打ち、また塗りつぶしては眺めたり…辿り着けそうで辿り着かないもどかしさに、時として気が遠くなる様な感覚も伴いますが、ようやく見えて来たものが、眼にした日々の出来事や関わる社会の中での時間の経過、その差異と共に綯い交ぜになった認識などを、意識するにせよ、無意識にせよ、集積集約したかたちとして絵に刻み込まれ、某かの解釈から次の展開へと結び繋がっていければ良いなと思います。

そうして出来た絵肌を「指紋」と例えたのは、
昨年急逝された版画家の先生でもありました。



□ 略歴

1968

大阪に生まれる

1991

大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業

 

個展

1991

ギャラリー白

(大阪)

1992

ギャラリー白

(大阪)

1993

ギャラリーココ

(京都)

1994

ギャラリー白

(大阪)

1995

ギャラリー白

(大阪)

1996

ギャラリー白

(大阪)

1997

ギャラリー白

(大阪)

2001

「WATERSIDE」

(ギャラリーエスプリヌーボー:岡山)

「The sign of waters」

(ギャラリー白:大阪)

「The general weather conditions」

(日下画廊:大阪)

2002

TENBA-A

(大阪)

2002

「The sign of waters」

(ギャラリーエスプリヌーボー:岡山)

2004

「The sign of waters」

(ギャラリーエスプリヌーボー:岡山)

2005

「The sign of waters」

(天野画廊:大阪)

2006

「The sign of waters」

(ギャラリーエスプリヌーボー:岡山)

2008

「General weather conditions」

 

(ギャラリー&スペース DELLA-PACE:兵庫)

2010

「Pick up drops」

(ギャラリー白:大阪)


グループ展

1991

Orphan Drug

(ギャラリーココ:京都)

 

NEW FACE

(ギャラリーVIEW:大阪)

 

BEYOND

(ギャラリー白:大阪)

 

翠雨の旋律

(ギャラリー白:大阪)

1993

LINE−循環としてのマトリックス−

 

(クリスタルギャラリー:大阪)

1994

イメージの鍛練

(ギャラリー白:大阪)

アート・ナウ'94

(兵庫県立近代美術館:兵庫)

1996

ペインタリネスU

(ギャラリー白:大阪)

 

アーティストファイル

(愛知芸術文化センター:愛知)

1997

1ダースの水槽

(ガレリアフェナルテ:愛知)

現代美術10人展

 

(京阪ギャラリー・オブ・アーツ・アンド・サイエンス:大阪)

1998

アーティストファイル

(愛知芸術文化センター:愛知)

1999

Radiant Ocuurrence−放射する出来事−

 

(名古屋芸術大学ギャラリーBE:愛知)

 

Compact Disc−CDというメディアの響宴−

 

(神戸アートビレッジセンター:兵庫)

2000

水辺−Insight of side−

(日下画廊:大阪)

2001

ペインタリネスX

(ギャラリー白:大阪)

2002

VOCA展2002

(上野の森美術館:東京)

2003

Fine Edge

(ギャラリーエスプリヌーボー:岡山)

呼吸−breath−

(ギャラリー白:大阪)

京都・洋画の現在〜85人の視点

(京都文化博物館:京都)

絵画を見る2

(ギャラリー白:大阪)

2004

DELICACY

(ギャラリーエスプリヌーボー:岡山)

2005

21 C ICAA 第12回ソウル・インターナショナル アート・フェスティバル2005

 

(朝鮮日報社ギャラリー:韓国)

2005

International Environment Art Expo Korea 2005

 

(SAM SUNG COEX CONVENTION HALL:韓国)

2006

ペインタリネス2006

(ギャラリー白:大阪)

2007

ペインタリネス2007

(ギャラリー白:大阪)

JAMIN

(ギャラリーエスプリヌーボー:岡山)

架空通信 百花繚乱展

(兵庫県立美術館ギャラリー棟:兵庫)

2008

絵画的絵画

(ギャラリー白:大阪)

JAMIN 2

(ギャラリーエスプリヌーボー:岡山)

2009

ペインタリネス2009

(ギャラリー白:大阪)

 

2009韓・日現代美術ー表現と方法展

 

(ドンペグ・アートセンター:韓国釜山)

2010

JAMIN 4

(ギャラリーエスプリヌーボー:岡山)

《贈り物》

(マサヨシスズキギャラリー:愛知)

2011

ペインタリネス2011

(ギャラリー白:大阪)

 

JAMIN 5

(ギャラリーエスプリヌーボー:岡山)

2012

ペインタリネス2012

(ギャラリー白:大阪)

2013

ペインタリネス2013

(ギャラリー白:大阪)

番画廊閉廊「サ・ヨ・ナ・ラbangarow」展

(番画廊:兵庫)

2014

ペインタリネス2014

(ギャラリー白:大阪)

パブリックコレクション

 

関西国際大学(兵庫県三木市)

 

旧松下電気株式会社人材開発センター(大阪府枚方市)

 

タピエ(大阪/東京)

 

ワイズコーポレーション(愛知県岡崎市)




□ 河合 美和


 最近キャンバスの地塗りが変わって来た。時間をかけ微妙な色彩を帯びたフラットな面を作っていく。その茫洋とした画面を見つめるうち、次に置く色やタッチが決まって来る。そして線や面が重なり、それらは自らの内にある記憶を紡ぎ出す。具体的なモノを認識する以前に体験する事象と自分との関係。それを画面に表現する事が出来れば。



□ 略歴

1960

兵庫に生まれる

1984

京都市立芸術大学美術学部油画科卒業

 

個展

1983

神戸現代美術ギャラリー

(兵庫)

1985

シティーギャラリー

(兵庫)

ギャラリー白

(大阪)

1987

ギャラリー白

(大阪)

1989

石屋町ギャラリー

(京都)

ギャラリー白

(大阪)

1990

ギャラリー白

(大阪)

1991

ギャラリー白

(大阪)

1993

ギャラリーVIEW

(大阪)

ギャラリー白

(大阪)

1994

STREET GALLERY

(兵庫)

ギャラリー白

(大阪)

1995

ギャラリー白

(大阪)

1996

神戸大丸カーポートギャラリー

(兵庫)

1997

ギャラリー白

(大阪)

神戸大丸カーポートギャラリー

(兵庫)

1998

ギャラリー・ラ・フェニーチェ

(大阪)

ギャラリー白

(大阪)

1999

ギャラリー白

(大阪)

ギャルリVEGA

(大阪)

STREET GALLERY

(兵庫)

2000

ギャラリー芦屋

(大阪)

2001

ギャラリー白

(大阪)

ギャルリVEGA

(大阪)

2002

タウンギャラリーNOVANO

(兵庫)

ギャラリーむん

(兵庫)

2003

ギャラリー島田

(兵庫)

2004

ギャラリー白

(大阪)

現代中国芸術センター

(大阪)

2005

ギャラリー島田

(兵庫)

2006

ギャラリー白

(大阪)

海岸通ギャラリーCASO

(大阪)

2007

ギャラリー島田

(兵庫)

2008

ギャラリー島田DEUX

(兵庫)

2009

ギャラリー島田

(兵庫)

2010

Oギャラリー

(東京)

2011

CAP STUDIO Y3

(兵庫)

 

ギャラリー白

(大阪)

2012

ギャラリー島田

(兵庫)

Oギャラリー

(東京)

2013

ギャラリー白

(大阪)


グループ展

1985

積極的なタブロー展II

(信濃橋画廊5:大阪)

 

CITY ESSENCE

(シティギャラリー:兵庫)

 

絵画−感覚と認識

(成安ギャラリー:京都)

YES ART

(ギャラリー白:大阪)

器のなかの瞬展

(天野画廊:大阪)

第一回国際「WORKS ON PAPER'85」

 

(大阪府立現代美術センター:大阪)

1986

伊藤カヨコ・佐藤智子・田中美和展

(ギャラリー白:大阪)

トランスアートシーン

(ギャラリー16:京都)

赤松玉女・田中美和展

(天野画廊:大阪)

International Fair of Contemporary Art Bologna

 

(イタリア)

 

Quarter Art Bridge展

(シティギャラリー:兵庫)

 

Art Bridge

(さんちかホール:兵庫)

ボローニャアートフェアー出品作品展

(ギャラリー白:大阪)

1987

アート・ナウ'87

(兵庫県立近代美術館:兵庫)

観・感・関展 日韓現代美術作家交流展

 

(さんちかホール:兵庫/ギャラリーさんちか:兵庫/ギャラリーアベニューコウベ:兵庫/世田谷美術館区民ギャラリー:東京)

赤松玉女・田中美和展

(天野画廊:大阪)

1988

絵画論的絵画−力としてのイメージ

(ギャラリー白:大阪)

臨界芸術・88年の位相展

(村松画廊:東京)

観・感・関展

(さんちかホール:兵庫)

赤松玉女・田中美和展

(天野画廊:大阪)

1989

つかしんアニュアル浮遊体一イマージュ空間

 

(つかしんホール:兵庫)

 

シティギャラリー10周年記念展

(シティギャラリー:兵庫)

1991

第12回汎瀬戸内現代美術展

(岡山県総合文化センター:岡山)

1992

兵庫の美術家

(兵庫県立近代美術館:兵庫)

1993

第13回汎瀬戸内現代美術展

(岡山県総合文化センター:岡山)

ウイメンズ'93

(近鉄アート館展:大阪)

1994

ウイメンズ'93東京展

(ギャラリーエモリ:東京)

画廊の視点

(大阪府立現代美術センター:大阪)

1995

ペインタリネス

(ギャラリー白:大阪)

1996

現在絵画−3つの表情−

(四条ギャラリー:京都)

1997

WE ARE HERE AGAIN

(新宿パークタワーギャラリー:東京)

2000

VOCA展2000

(上野の森美術館:東京)

誘発の相貌

(Oギャラリー:東京)

2001

ペインタリネス

(ギャラリー白:大阪)

2002

BLUE

(里夢:兵庫)

203

Diary−冬の小品展

(ギャラリー・ラ・フェニーチェ:大阪)

2004

絵画を見る2004/3

(ギャラリー白:大阪)

イデア−現代ロマン派絵画(I)

 

(ギャラリードゥ サンパル5F:兵庫)

2005

対話展

(ギャラリーオスカー:兵庫)

2005

ペインタリネス

(ギャラリー白:大阪)

2006

対話展

(サンパル5F:兵庫)

日韓国際絵画交流展

(アートホール:兵庫)

2007

CAP art fair 2007

(CAP HOUSE:兵庫)

ペインタリネス2007

(ギャラリー白:大阪)

対話展

(ギャラリー島田:兵庫)

第二回 日韓国際絵画交流展

 

(インサイアートセンター:韓国ソウル)

上海 風月舎展覧会

(風月舎:上海市莫干山路庫)

架空通信 百花繚乱展

(兵庫県立美術館ギャラリー棟:兵庫)

2008

thing matter time 2008

(信濃橋画廊:大阪)

ペインタリネス2008

(ギャラリー白:大阪)

対話展

(ギャラリー島田:兵庫)

第三回 日韓国際絵画交流展

(県民アートギャラリー:兵庫)

上海 風月舎展覧会

(風月舎:上海市莫干山路庫)

架空通信 百花繚乱展

(兵庫県立美術館ギャラリー棟:兵庫)

2009

ペインタリネス2009

(ギャラリー白:大阪)

丹波篠山・まちなみ・アートフェスティバル

 

(篠山・商屋・古民家:兵庫)

対話展

(ギャラリー島田:兵庫)

第四回 日韓国際絵画交流展

 

(インサイアートセンター、ギャラリーYUL:ソウル)

上海 風月舎展覧会

(風月舎:上海市莫干山路庫)

架空通信 百花繚乱展

(兵庫県立美術館ギャラリー棟:兵庫)

2011

第五回 日韓国際絵画交流展

(ギャラリー北野坂:兵庫)

対話展

(ギャラリー島田:兵庫)

上海 風月舎展覧会

(風月舎:上海市莫干山路庫)

丹波篠山・まちなみ・アートフェスティバル

 

(篠山・商屋・古民家:兵庫)

架空通信 百花繚乱展

(兵庫県立美術館ギャラリー棟:兵庫)

2011

ペインタリネス2011

(ギャラリー白:大阪)

対話展

(ギャラリー島田:兵庫)

CAPアートフェアー '11

(CAP STUDIO Y3 :兵庫)

第六回日韓国際絵画交流展

(城南ART CENTER :韓国)

2012

ペインタリネス2012

(ギャラリー白:大阪)

 

尼崎アートフェスティバル

(尼崎総合文化センター:兵庫)

 

Studio GRANITO Etching Works4

(島田画廊:兵庫)

第7回ASIA’S神戸・城南精鋭作家展(日韓絵画交流)

 

(ギャラリー北野坂:兵庫)

 

CAP SPOT 01

(KIITO:兵庫)

2013

ペインタリネス2013

(ギャラリー白:大阪)

2014

SANBEAMS展

(橘画廊:大阪)

 

ART OSAKA 2014 <橘画廊>

(ホテルグランヴィア大阪:大阪)

ペインタリネス2014

(ギャラリー白:大阪)

受賞

2014

亀高文子記念<赤艸社賞>




□ 岸本 吉弘


最近は「イメージ」についてよく考える。
私はこれまで、造形性や色彩などのフォーマルな在り様(概念)を自ずと重要視し、「イメージ」を否定し続けてきた。それは「何を?描く」というよりも、「どう?描く」ということであったと思う。私はそうした絵画の一論法を頑なに信じたのである。
制作渦中においても種々の「イメージ」が付け入る隙はいくらでもあった、
しかしながら私は否定を繰り返し「隠喩」や「暗示」という折衷的な甘美さに、結果的な「逃げ道」さえ見出してきた。
だが今はむしろ、抽象的な論法により初めて可能となる「イメージのマトリックス(母体)」を描きたい、、と開き直り半分で思っている。



□ 略歴

1968

兵庫県神戸市生まれ(現在、宝塚市在住)

1992

武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業

1994

武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻修了

1998

文化庁芸術インターンシップ研修員

2001

大和日英基金の助成によりロンドンにて滞在制作

2013

ルース・カッツマン奨学金の助成によりニューヨークにて滞在制作

 

主な個展

1991

Gアートギャラリー

(東京)

1992

かねこ・あーとG1

(東京)

1995

ギャラリィK

(東京)

1996

ギャラリィK

(東京)

1997

ウインドーギャラリー

(東京)

1998

ギャラリーαM

(東京)

1999

ギャルリームカイ

(東京)

2001

トアギャラリー

(兵庫)

2002

トアロード画廊

(兵庫)

 

かわさきIBM市民文化ギャラリー

(神奈川)

2003

ギャラリーラ・フェニーチェ

(大阪)

2004

トアロード画廊

(兵庫)

2005

トアロード画廊

(兵庫)

2006

西脇市岡之山美術館

(兵庫)

2007

甲南大学ギャルリーパンセ

(兵庫)

2008

アスタくにづか2番館特設会場

(兵庫)

トアロード画廊

(兵庫)

2009

奈義町現代美術館

(岡山)

 

海岸通ギャラリーCASO

(大阪)

2010

トアロード画廊

(兵庫)

2011

gallery COEXIST

(東京)

2013

ギャラリー白・ギャラリー白3

(大阪)

2014

オープン・スタジオ VYT

(ニューヨーク,アメリカ)

トアロード画廊

(兵庫)


主なグループ展など

1990

コンテンポラリーアート・エキスポ東京’90

 

(原宿クエストホール:東京)

1994

現代美術新進作家展

(網走市立美術館:北海道)

1996

現代日本美術展

(東京都美術館:東京/京都市美術館:京都)

1998

EARLY−WORKS 始点

(ギャルリームカイ:東京)

2001

VOCA −現代美術の展望

(上野の森美術館:東京)

2002

こころのパン 日本現代美術展

 

(’05にかけてトルコ主要5都市巡回)

2003

party

(CAPHOUSE:兵庫)

2004

ペインタリネス

(ギャラリー白:大阪)

 

Gallery Selection−RESONANCE

 

(ギャラリーラ・フェニーチェ:大阪)

 

VOCA −現代美術の展望

(上野の森美術館:東京)

2005

兵庫国際絵画コンペティション

(兵庫県立美術館:兵庫)

2006

見ること/作ることの持続−後期モダニズムの美術−

 

(武蔵野美術大学美術資料図書館:東京)

 

ペインタリネス

(ギャラリー白:大阪)

 

party

(CAPHOUSE:兵庫)

2009

表層の冒険者達

 

(ギャラリー石田:東京/exhibit live&Moris Gallery:東京)

 

神戸大学発達科学部B棟壁画制作(タイルモザイク)恒久設置

 

Link−しなやかな逸脱 神戸ビエンナーレ招待作家展

 

(兵庫県立美術館:兵庫)

2011

空間をめぐる四つの対話

(熊本県立美術館分館展示室:熊本)

2012

COMPOSED

(COOHAUS:ニューヨーク)

2013

ペインタリネス2013

(ギャラリー白:大阪)

2014

ペインタリネス2014

(ギャラリー白:大阪)


受賞

1990

コンテンポラリーアート・エキスポ東京’90 奨励賞

1991

第5回ホルベインスカラシップ奨学生

1992

卒業制作優秀賞

1994

修了制作優秀賞

1997

現代日本美術展  大原美術館賞

2003

兵庫県芸術奨励賞

第17回ホルベインスカラシップ奨学生

2005

資生堂ADSP

2008

神戸長田文化賞

2009

神戸市文化奨励賞


パブリックコレクション

 

愛知県美術館
大原美術館
神戸市
神戸大学
デルメンデレ市(トルコ) 他




□ 善住 芳枝


 いまアトリエは大小のキャンバスがひしめいて、どれもが地塗りの途中である。大作であれ小品であれ、私にとっては欠くことのできないプロセスといえる。ダイナミックなストロークや鮮やかな絵具の飛沫も、この地塗りに重なることで豊かな奥行きを持った画面の一部に落ち着く。
 やがて劇的なクライマックスを迎えるための黙々とした作業は、絵具との対話を静かに深める時間でもある。



□ 略歴

1964

伊丹市に生まれる

1987

京都市立芸術大学美術学部卒業

 

個展

1990

ギャラリー白

(大阪)

1991

ギャラリー古川

(東京)

ギャラリー白

(大阪)

1992

ギャラリー白

(大阪)

1993

ギャラリー白

(大阪)

1995

ギャラリー白

(大阪)

1996

ギャラリー白

(大阪)

1998

ギャラリー白

(大阪)

第一生命ギャラリー

(東京)

1999

ギャラリー白

(大阪)

2000

TeNBA-A

(大阪)

2001

ギャラリー白

(大阪)

2002

ギャラリー白

(大阪)

シィ・プラス プラス ギャラリー

(大阪)

2003

ギャラリー白

(大阪)

2004

トアロード画廊

(兵庫)

ギャラリー白

(大阪)

2005

トアロード画廊

(兵庫)

ギャラリー白

(大阪)

2006

トアロード画廊

(兵庫)

ギャラリー白

(大阪)

海岸通ギャラリーCASO

(大阪)

2007

トアロード画廊

(兵庫)

ギャラリー白

(大阪)

第一生命ギャラリー

(東京)

2008

トアロード画廊

(兵庫)

ギャラリー白

(大阪)

2009

トアロード画廊

(兵庫)

ギャラリー白/ギャラリー白3

(大阪)

ギャラリーDEN

(大阪)

2010

トアロード画廊

(兵庫)

ギャラリー白

(大阪)

2011

トアロード画廊

(兵庫)

ギャラリー白

(大阪)

2012

トアロード画廊

(兵庫)

ギャラリー白

(大阪)

2013

ギャラリー白/ギャラリー白3

(大阪)

トアロード画廊

(兵庫)

2014

トアロード画廊

(兵庫)


グループ展

1988

善住芳枝・ニシムラユウリ展

(ギャラリー白:大阪)

IBM絵画イラストコンクール

(ABCギャラリー:大阪)

1989

イマージュが生まれるとき

(ギャラリー白:大阪)

ART LINE'89−絵画脱出点

(大阪府立現代美術センター:大阪)

1990

空間が生まれるとき

(ギャラリー白:大阪)

1991

描く力−絵画の衝動

(信濃橋画廊:大阪)

1992

'92兵庫の美術家

(兵庫県立近代美術館:兵庫)

 

Some aspects of painting

(ギャラリー白:大阪)

1994

セルフィッシュなミューズ−利己的な芸術神

 

(ひらかた近鉄アートギャラリー:大阪)

1994

'94兵庫の美術家

(海文堂ギャラリー:兵庫)

1995

ペインタリネス

(ギャラリー白:大阪)

 

現代美術7人展

(伊丹市立美術ギャラリー伊丹:兵庫)

ウイメンズ'95

(大阪府立現代美術センター:大阪)

第3回画廊の視点'95

(大阪府立現代美術センター:大阪)

1997

VOCA展'97−新しい平面の作家たち

(上野の森美術館:東京)

ペインタリネスV

(ギャラリー白:大阪)

No Finder展

(SPACE JOY:大阪)

APOSTROPHE ART PART 1展

(ギャラリー石彫:兵庫)

'97兵庫の美術家

(兵庫県立近代美術館:兵庫)

APOSTROPHE ART PART 3展

(ギャラリー石彫:兵庫)

1998

16人の基展

(画廊ぶらんしゅ:大阪)

1999

四つの表現展

(アトリエ西宮:兵庫)

現代日本絵画の展望展

(東京ステーションギャラリー:東京)

1999

APOSTROPHE ART PART 6展

(ギャラリー石彫:兵庫)

2000

いのちのかたち−大西久・善住芳枝

(アトリエ西宮:兵庫)

16人の基展

(画廊ぶらんしゅ:大阪)

APOSTROPHE ART PART 7展

(ギャラリー石彫:兵庫)

2001

ペインタリネスX

(ギャラリー白:大阪)

21世紀の表現 ART IN ART JAPAN

(姫路市立美術館:兵庫)

現代美術−茨木2001展

(茨木市立上条青少年センター:大阪)

APOSTROPHE ART PART 8展

(ギャラリー石彫:兵庫)

2002

現代美術−茨木2002展 特集作家

 

(茨木市立上条青少年センター:大阪)

2003

現代美術の斬新な切口展

(比良美術館:滋賀)

2004

絵画の「たのしみ」

 

(ギャラリー白:大阪/元麻布ギャラリー:東京)

無限の源

(尼信博物館:兵庫)

VOCA1994−2003 10年の受賞作品展

(大原美術館:岡山)

2005

第13回吉原治良賞美術コンクール展

 

(大阪府立現代美術センター:大阪)

2006

ペインタリネス2006

(ギャラリー白:大阪)

VOCAに映し出された現在 いまいるところ/いまあるわたし

 

(宇都宮美術館:栃木)

第一回21世紀関西女性絵画展

 

(兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリー:兵庫)

2007

ペインタリネス2007

(ギャラリー白:大阪)

架空通信「百花撩乱」展

 

(兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリー:兵庫)

アート・ナウKANAZAWA 第46回北陸中日美術展

 

(加賀アートギャラリー:石川)

2008

比良から新しい風が…54 明日に向かって歩むアート展

 

(比良美術館:滋賀)

第一回世界文化遺産姫路城現代美術ビエンナーレ2008展

 

(姫路市民ギャラリー:兵庫)

絵画の「たのしみ」

(ギャラリー白:大阪)

第二回21世紀関西女性絵画展

 

(兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリー:兵庫)

架空通信「百花撩乱」展 2008

 

(兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリー:兵庫)

アート・ナウKANAZAWA 第47回北陸中日美術展

 

(加賀アートギャラリー:石川)

2009

架空通信「百花撩乱」展 2009

 

(兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリー:兵庫)

神戸ビエンナーレ2009招待作家展「LINKーしなやかな逸脱」

 

(兵庫県立美術館:兵庫)

2010

絵画の「たのしみ」

(ギャラリー白:大阪)

第三回 21世紀関西女性絵画展

 

(兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリー:兵庫)

 

比良から新しい風が…69 今を問う表現展

(比良美術館:滋賀)

2011

架空通信 トリビュート

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

ペインタリネス2011

(ギャラリー白:大阪)

アートフェア京都 出展者:yokart

 

(ホテルモントレ京都:京都)

 

比良から新しい風が…72 感性と表現

(比良美術館:滋賀)

プレ人間展神戸

 

(兵庫県立美術館王子分館原田の森ギャラリー:兵庫)

リーフ展・ゼロ号展

(ギャラリー葉kobe:兵庫)

津高和一生誕100年架空通信展テント美術館とはなにか

 

(西宮市大谷記念美術館:兵庫)

津高和一生誕100年目の仲間たち(架空通信)展

 

(ギャラリーSHIMA:兵庫)

2012

I Love Kobe 展・リーフ展・ゼロ号展

 

(ギャラリー葉Kobe:兵庫)

第5回 断片 16

(ギャラリーSHIMA:兵庫)

ペインタリネス2012

(ギャラリー白:大阪)

2012 日韓交流絵画展

(城南アートセンター:韓国)

尼崎アートフェスティバル2012

(尼崎総合文化センター:兵庫)

第四回 21世紀関西女性絵画展

 

(兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリー:兵庫)

2013

I Love Kobe 展・リーフ展・ゼロ号展

 

(ギャラリー葉Kobe:兵庫)

第6回 断片 16

(ギャラリーSHIMA:兵庫)

2013 日韓交流絵画展

(城南アートセンター:韓国)

Japanese contemporary art across various genres

NYからの帰国展

(R&Pギャラリー:兵庫)

現代美術東西交流展

 

(R&Pギャラリー:兵庫/ギャラリーGK:東京)

ペインタリネス2013

(ギャラリー白:大阪)

神戸ビエンナーレ2013 兵庫・神戸の仲間たち

 

(BBプラザ美術館:兵庫)

尼崎アートフェスティバル2013

 

(尼崎総合文化センター美術ホール:兵庫)

2014

I Love Kobe 展・リーフ展

(ギャラリー葉Kobe:兵庫)

 

1.17 画家達のメッセージ

 

(南京町ギャラリー蝶屋、TENxTEN:兵庫)

AHAF HONGKONG 2014

(マルコポーロ香港ホテル:中国)

第7回 断片 16

(ギャラリーSHIMA:兵庫)

 

尼崎アートフェスティバル2014

 

(尼崎総合文化センター美術ホール:兵庫)

ペインタリネス2014

(ギャラリー白:大阪)


受賞

1997

VOCA展'97<VOCA奨励賞>

2005

第13回吉原治良賞美術コンクール展<大賞>

兵庫県芸術奨励賞

2011

亀高文子記念−赤艸社賞


パブリックコレクション

 

第一生命保険相互会社(東京)

 

伊丹市(兵庫)

 

大阪府立現代美術センター(大阪)