山本 修司 展
YAMAMOTO Shuji


2014.10.6-10.11
ギャラリー白



ビジュアル作品について。
プリント(写真)であれ、ペイント(絵画)であれ、ビジュアル平面作品として表現している中、自然の中にある平面 みなも(水面鏡)を媒介として画面の中の化学反応を試みています。
平面の中に、遠近法ではなく、レイヤーとしての深み(多重性)と、一瞬という時間(完結性)をよりアクチュアルに体験する装置の制作。
私たちは、透過する光と反射する光を、焦点が合って無くても光量が足りなくても、それら総て(その手前と奥)を一瞬に還元する体験を誰もが日常体験しているのに、勝手に分析する偏った合理的認識で、表現(イメージ)を気づかないうちに外の世界へと追いやっている気がします。
風や雨や自然物の行為による気配が光と融合し、薄氷として結晶化する。一瞬の連鎖現象、私はこの結晶化により、直感的に覚醒させる作品を残したいと思っています。

石ころ作品(Atomoscape serirs)について。
私の中で、今回の展覧会のメインとして制作した小石の作品は、「結び」というテーマを持っています。
2005年頃から始めたランドスケープシリーズの延長です。
以前の作品は、その石があった場所から採取したものを、篩(フィルター)にかけて、出来るだけ単純なコンセプト(大⇔小)で、そこから生まれるものを表現してきました。
それは、平面の上を石で覆い尽す、フラクタルイリュージョン的作業でした。(平面→レリーフ)

今回の新作は、同じように石と石を付けているのですが、それを反転させています。
基盤となる平面には付けず石同士で自立させ、実空間(光)との対話を目的とする三次元作品になりました。
このような展開は先に述べたビジュアル作品に密接にリンクしています。

まず、私は、テーブルの上に小石で島を作りました。
それを反転させると水溜まりのような新たな面(基盤)が現れます。(平面=型)
この平面は、ビジュアルで表現された水面のイメージに呼応しています。
型は、プリント(写真)の役割を果たし、やがて具体的な立体物にも移行します。

一つひとつの小石が作る隙間は、粒子の内と外を行き来しながら表皮(型)との関係を浮かび上がらせる、アトモスケープな「零れ光」の世界を創造しています。

結び=ムスビ=産霊。魂を産むこの日本独特の概念は、八百万の存在を適確に感じるとても大切なキーワードだと思っています。


2014年 作者 山本修司



□ 略歴

1959

愛媛県生まれ

1982

大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業

 

個展

1980

田都画廊

(愛媛)

1981

ギャラリー白

(大阪)

1983

信濃橋画廊

(大阪)

1984

信濃橋画廊

(大阪)

信濃橋画廊

(大阪)

1985

ギャラリー白

(大阪)

1986

信濃橋画廊

(大阪)

1990

信濃橋画廊

(大阪)

1995

ギャラリー白

(大阪)

1996

ギャラリー白

(大阪)

1997

ギャラリー白

(大阪)

1998

ギャラリー白

(大阪)

2000

ギャラリー白

(大阪)

2002

ギャラリー白

(大阪)

2004

ギャラリー白/ギャラリー白3

(大阪)

ロードサイドミュージアムさき104

(広島)

ミュゼ里山房

(愛媛)

2005

ギャラリー白/ギャラリー白3

(大阪)

Traffic 5-ファッションと美術のTraffic-5つの個展

(海岸通りギャラリーCASO:大阪)

2006

ギャラリー白

(大阪)

2008

ギャラリー白

(大阪)

2009

ギャラリー白

(大阪)

2010

ミュゼ里山房

(愛媛)

ロードサイドミュージアムさき104

(広島)

 

信濃橋画廊

(大阪)

 

ギャラリー白3

(大阪)

2011

ギャラリー白

(大阪)

2012

ギャラリー白

(大阪)

2013

ギャラリー白3

(大阪)

山本修司作品展 木洩れ陽の宇宙U

(尼信会館:兵庫)

2014

ギャラリー白 (1.20-2.1)

(大阪)

ギャラリー白 (10.6-10.11)

(大阪)


グループ展

1981

現代美術ING

(紀ノ国屋ギャラリー:愛媛)

1983

Lunatic Room Exhibition

(神戸現代美術ギャラリー:兵庫)

YES ART 2

(ギャラリー白:大阪)

Just Nice-To-Have Pieces

(ギャラリーエスプリヌーボー:岡山)

1995

洛外芸術展

(ギャラリー白:大阪)

洛外芸術展IN大邸

(ギャラリーシーラ:韓国)

1996

洛外芸術展

(ギャラリー白:大阪)

1998

(ギャラリー白:大阪)

アーケードアーツ イン ナカマチ

(中町商店街:滋賀)

2001

アートマルシェ

(大阪国際会議場:大阪)

冬の座

(ギャラリー白:大阪)

風と大地

(アートギャラリーフジハラ:大阪)

2002

同時代の作家達

(ギャラリー千:大阪)

2003

平成十五年冬の座

(ギャラリー白:大阪)

2004

春の座

(ギャラリー白:大阪)

2005

春の座

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

2006

冬の座

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

グループ展

(仁川学園図書ギャラリー:兵庫)

2007

冬の座

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

百花繚乱展

(兵庫県立美術館ギャラリー:兵庫)

美術における自然展

(海岸通ギャラリーCASO:大阪)

架空通信 百花繚乱展

(兵庫県立美術館ギャラリー:兵庫)

2008

冬の座

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

架空通信 百花繚乱展

(兵庫県立美術館ギャラリー:兵庫)

2009

冬の座

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

新たなる架空通信展

(兵庫県立美術館ギャラリー棟:兵庫)

架空通信 百花繚乱展

(兵庫県立美術館ギャラリー:兵庫)

2010

ミルコトカラハジマル 自然との対話

(愛媛県美術館:愛媛)

 

冬の座

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

画廊の視点 gallerism 2010

 

(大阪府立現代美術センター:大阪)

架空通信 百花繚乱展

(兵庫県立美術館ギャラリー:兵庫)

2011

架空通信 トリビュート

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

 

THINK FUTURE@子供たちの子供達の子供たちへ

 

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

 

生誕100年 津高和一 架空通信展

 

(西宮市大谷記念美術館:兵庫)

japan play

(2kwギャラリー:大阪)

2012

尼崎アートフェスティバル2012

(尼崎総合文化センター:兵庫)

MAX PAINTINGS

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

2013

MAX PAINTINGS 2.0

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

尼崎アートフェスティバル2013

(尼崎総合文化センター:兵庫)


パブリックレクション

 

愛媛県美術館