私はこれまで、単純な作業を繰り返したり、積み重ねたりして作品を造ってきました。
絵画の作品では、同じくらいの大きさの筆跡を繰り返し、筆跡の上に筆跡を積み重ねて描きます。難しく考えることがないので作業は楽しく夢中になることができます。描き進めていくと、精神統一に似た忘我の境地に至ります。描くことは自分が生きていることを確認する作業だと思います。またその作業を繰り返すことで、描くという行為をしっかりと記憶しようとしているのかもしれません。描かれた筆跡は生の情報の断片で、たくさん集まることで大きな力となり、作品をみる人の心をプラスの方向に動かせればと考えています。 |