ペインティング・アパート展
スズキ サチコ・林 秀和


2024.2.5−2.17(2.11close)
ギャラリー白





□ スズキ サチコ


「加藤隆明の感想文」

加藤隆明(美術家・鑑賞人)

「スズキサチコの絵画をみる」

 双方とも画面全体が青白い風景が描かれており、画面の3/5の位置に平行線が走っている。描かれている風景は画面中央あたり消失点に向かう大河や道にみえる。作品の大きさは視覚のみの体験よりはるかに大きく、絵画とは身体的距離を測りながらの鑑賞になる。
 画面をみると具象絵画としての情報は少ない。そのため具象絵画をみるための知覚より、筆の動きやスピード感、青白さの心的効果など、視覚を超えた触覚的要素の体性感覚が揺さぶられる。
 画面の青白い風景を体験すると、私は夏の日の出前の風景を想起する。
 現実に青白い風景というのは、早朝の太陽の光が地上に届くまでに表れるらしい。その風景は人のメラノプシンという細胞が密接に関わっているとか。人間の眼球の網膜には桿体細胞(明暗)と錐体細胞(色彩)が知られているがメラノプシン細胞なるものがあることを私は最近知った。
 茫洋とした、あるいは記憶に残された細部が消失した風景の内を鑑賞者のたましいが漂い歩く。



□ 略歴

1976

三重県に生まれる

1999

京都精華大学美術学部造形学科卒業

2001

京都精華大学大学院芸術研究科洋画専攻修了

 

個展

2000

OneーWhere are you ?

(Nobody House:京都)

2005

OneーWhere are you ? Vol.2

(ギャラリー白:大阪)

2006

OneーWhere are you ? Vol.3

(ギャラリー白3:大阪)

2008

ギャラリーアスト1

(三重)

2010

伊勢現代美術館

(三重)

高松天満屋アートギャラリー

(香川)

BAMI gallery

(京都)

2011

たんぽぽんの家 アートセンターHANA

(奈良)

2017

第19回遠州横須賀街道ちっちゃな文化展・川島清邸にて作品展示

(静岡)

かけがわ茶エンナーレ横須賀エリア

(掛川市清水邸鉄蔵:静岡)

2021

鴨江アートセンター

(静岡)


グループ展

2000

日墨現代美術交流展「思」

(メキシコ国立自治大学:メキシコ)

2004

BASE POINTS

(アートスペース上三条:奈良)

2005

A-21国際美術展

(台北国立中正紀念堂:台湾)

第22回天展 天理ビエンナーレ

(天理教教会本部おやさとやかた東左第三棟特設会場:奈良)

「現代の証人展」

(比良美術館:滋賀)

2006

絵画を見る2006/2「4つの窓」

(ギャラリー白3:大阪)

Teardrop, My dream−一滴の小さなしずくは…

(たんぽぽの家アートセンターHANA:奈良)

2007

中井幸子・村井資 二人展

(ギャラリー惣門:岩手)

Art Link Japan

(Craftsmen Galleryほか:フロリダ)

「どこへ向かう?アート」展

(比良美術館:滋賀)

2008

API2008展

(三重県総合文化センター:三重)

現代美術小品展 2008(No.21)

(ギャラリーすずき:京都)

2009

API2009展

(三重県総合文化センター:三重)

SUPER! PAINTINGS

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

平和を愛し憲法9条を守る女性美術展

(ギャラリーかもがわ:京都)

2010

SUPER! PAINTINGS VOL.2

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

2011

SUPER! PAINTINGS VOL.3

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

2012

SUPER! PAINTINGS VOL.4

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

2014-2021

 

HERE AND NOW

(浜松市鴨江アートセンター:静岡)

2014

ペインティング・アパート

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

2018

ペインティング・アパート

(ギャラリー白/ギャラリーkuro:大阪)

2019

ペインティング・アパート 2019

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

2020

ペインティング・アパート 2020

(ギャラリー白/ギャラリー白kuro:大阪)

2021-2022

樂土舎

(静岡)

2021

ペインティング・アパート 2021

(ギャラリー白/ギャラリー白3/ギャラリー白kuro:大阪)

2022

ペインティング・アパート 2022

(ギャラリー白/ギャラリー白3/ギャラリー白kuro:大阪)

樂土の森創設25周年記念|現代美術展 タイムスクランブル2021−2022

(楽土舎:静岡)

浜松市鴨江アートセンター アーティスト・イン・レジデンス展 2014-2021 HERE AND NOW

(鴨江アートセンター:静岡)

HANSHIN Art Meeting

(阪神梅田本店8階ハローカルチャー1・2・3・4:大阪)

2023

ペインティング・アパート 2023

(ギャラリー白/ギャラリー白3/ギャラリー白kuro:大阪)

2024

ペインティング・アパート 2024

(ギャラリー白/ギャラリー白3/ギャラリー白kuro:大阪)


アーティスト・イン・レジデンス

2020

浜松市鴨江アートセンター制作場所提供事業 アーティスト・イン・レジデンス

(静岡)


その他

2009

鑑賞WS「ミルトーク」作品使用

(主催ミュージアム アクセス ビュー・カフェ フィロ)

2011

Funny box window gallery Exhibitionにて作品展示

2017

遠州横須賀街道ちっちゃな文化展

(静岡)

2018

遠州横須賀街道ちっちゃな文化展

(静岡)

2019

遠州横須賀街道ちっちゃな文化展

(静岡)

2021

暮らしの菓音vol.33 『杜屋スイーツ販売会 × スズキサチコ油彩画作品展』

(静岡)

2023

遠州横須賀街道ちっちゃな文化展

(静岡)

アーツカウンシル主催事業2023年度「クリエイティブ人材空き家等活用モデルプログラム」採択

https://www.sachikosworks.com/


受賞

2006

第21回ホルベインスカラシップ奨学生




□ 林 秀和


「加藤隆明の感想文」

加藤隆明(美術家・鑑賞人)

「林秀和の絵画をみる」

 18.0×18.0cmの絵画画面が縦横規則的に壁に配置されている。縦横の配置において上下左右の作品同士の間は均質である。絵画では、画面全体の把握とともに細部を視点移動とともに確認していく。しかし林氏の作品はそうはならない。絵画は複数で一つであり、一つは複数の画面により成立しているからである。そのためキャンバスを支えている白い壁からみることを始める。
 絵画では「地と図の関係」という要素がある。この作品が深く暗い藍のため白い壁の地が図へ、絵画は図から地へと変貌する。その効果により鑑賞者は軽いめまいをおこす。
 画面は筆の痕跡がイメージとなり筆により横に追いやられた絵具が輪郭線として表出する。筆圧がキャンバスの表面を映し出す、という絵具を削る作業でイメージを表現している。
 筆跡で埋め尽くされた文様のようなイメージには地となる背景がない。
 タイトル「Spell 02」を考えてみる。言葉の意味にある呪文や魔力とかの意味がこの絵画に出入りし、絵画は変貌を同時に表現する。一だったものが多へ、多だったものが一へ、巻き込む呪力や魔力は縄文文様の再構築の様子を見せる。



□ 略歴

1982

愛知県生まれ

2006

京都大学工学部卒業

2008

同大学大学院工学研究科修了

 

個展

2013

ギャラリー白3

(大阪)

2014

ギャラリーSUZUKI

(京都)

2016

ギャルリー東京ユマニテbis

(東京)

2023

ギャラリー白

(大阪)


グループ展

2015

ペインティング・アパート

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

2016

ペインティング・アパート 2016

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

2017

ペインティング・アパート 2017

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪)

2018

ペインティング・アパート

(ギャラリー白/ギャラリーkuro:大阪)

2021

ペインティング・アパート 2021

(ギャラリー白/ギャラリー白3/ギャラリー白kuro:大阪)

2022

ペインティング・アパート 2022

(ギャラリー白/ギャラリー白3/ギャラリー白kuro:大阪)

HANSHIN Art Meeting

(阪神梅田本店8階ハローカルチャー1・2・3・4:大阪)

2023

ペインティング・アパート 2023

(ギャラリー白/ギャラリー白3/ギャラリー白kuro:大阪)

2024

ペインティング・アパート 2024

(ギャラリー白/ギャラリー白3/ギャラリー白kuro:大阪)