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2.7-2.12 Ceramis Site Vol.2
−粟田尚子・川越里美・國方善博・高橋泰子 |
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□ 展覧会テキスト−安來正博(国立国際美術館主任研究官)
「投企される作品」
きっかけは走泥社の解散であったかもしれないが、ある時から現代陶芸
という言葉が、美術のタームとしての括りの中で、距離感をもって聞こ
えるようになってきた。
思えば陶芸がアヴァンギャルドになりえた時代は、アヴァンギャルド自
体が消失することで二重に過去のものとなり、かつて現代的であること
と等価であった先端性も実験精神も、その価値自体が歴史の中で相対化
されてしまったわけである。“現代”と“陶芸”というカップリングが
新しい創作活動の方向性を指し示す代名詞としてインパクトをもちえた
状況とは、あるいは幸福な時代背景であったのかも知れない。
しかし、だからといって今日の作家たちが、指標も基準も見いだせない
状況を嘆いてみても、逆に開き直って自由気儘に振る舞ってみても仕方
がない。伝統工芸を志向する陶芸家であっても、決して無批判に過去の
様式や技術を踏襲しているわけではない。まして芸術とは、いつの時代
でも先の道筋が予め線路のように過去から繋がって引かれているわけで
はない。たとえば、かつてモダニズムは圧倒的な理論の牙城を構築した
が、作家たちはモダニズムという設計図に従って未来の作品を作ろうと
したのではない。作品間の比較検証は美術史学の領域であり、一方創作
とは、秘儀的という意味ではないにしても、やはりミステリアスで非論
理的なプロセスをもつのである。
したがって土を素材として選択することが、まるで近代以降の美術史や
現代美術としての土による表現の可能性に答えなければならないことの
ようにいわれるのは本末転倒である。そうであるか否かという評価は、
作り出された作品に対して行われるべきものであり、作家はただ投げか
ける存在として作品を作り、その作品に対して責任を負わなければなら
ない。
鈴木治はかつて「自分自身の内部でそうしなくてはどうしようもない切
迫した心情」によって制作へと駆り立てられたと語っているが、そのよ
うな作品こそ、今われわれが切に求めているものである。 |
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□ 粟田尚子 |
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□ 略歴
1970 大阪府生まれ
1990 浪速短期大学デザイン美術科工芸卒業
個展
1995 画廊みやざき (大阪)
1997 ギャラリー白 (大阪)
1999 ギャラリー白 (大阪)
2003 ギャラリー白 (大阪)
グループ展
1999 あかりのオブジェ展 (岐阜市文化センター・岐阜)
2000 7 women ceramic art展 (阪急グランドビル・大阪)
2001 陶芸展<壁> (ギャラリー白・大阪)
2002 Ceramic Site (ギャラリー白・大阪)
2003 美術の個体性と普遍性展 (比良美術館・滋賀)
2004 Ceramic Site 2004 (ギャラリー白,ギャラリー白3・大阪)
2005 Ceramic sute 2005 (ギャラリー白,ギャラリー白3・大阪) |
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□ 川越里美 |
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□ 略歴
1975 京都府生まれ
1998 京都市立芸術大学美術学部工芸科陶磁器専攻卒業
2000 京都市立芸術大学大学院美術研究科工芸専攻修了
個展
2001 ギャラリーマロニエ (京都)
2003 大福堂ギャラリー (兵庫)
グループ展
1998 第5回国際陶磁器展美濃’98 (岐阜)
2003 浮気のかたち2003 (ギャラリーマロニエ・京都)
(ワコール銀座アートスペース・東京)
京都府美術工芸新鋭選抜展 (京都文化博物館・京都)
2004 浮気のかたち2004 (ギャラリーマロニエ・京都)
(ワコール銀座アートスペース・東京)
Ceramic Site 2004 (ギャラリー白,ギャラリー白3・大阪)
2005 Ceramic Site 2005 (ギャラリー白,ギャラリー白3・大阪)
受賞
2003 京都府美術工芸新鋭選抜展 優秀賞 |
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□ 國方善博 |
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□ 略歴
1969 香川県生まれ
1992 京都市立芸術大学陶磁器専攻科卒業
1994 京都市立芸術大学大学院修了
個展
1995 ギャラリーマロニエ (京都)
1996 ギャラリーマロニエ (京都)
2002 ギャラリーマロニエ (京都)
2004 ギャラリー白 (大阪)
グループ展
1991 彩−nature (京都市立芸術大学ギャラリー・京都)
1994 4人のうつわ (アートスペース八源・京都)
1997 掌中のかたち展 (ギャラリー器館・京都)
2000 過ぎ行く夏のなごり…展 (アートスペース八源・京都)
2004 「1978〜」高松工芸美術科卒業生の今 (高松市美術館・香川)
比良から新しい風が… (比良美術館・滋賀)
2005 Ceramic Site 2005 (ギャラリー白,ギャラリー白3・大阪) |
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□ 高橋泰子 |
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□ 略歴
1976 三重県生まれ
1999 大阪芸術大学工芸学科卒業
1999-2000
滋賀県立陶芸の森研修作家
個展
2000 ギャラリー白 (大阪)
2001 ギャラリー白 (大阪)
2003 ギャラリー北野坂 (神戸)
グループ展
1998 津市美術展覧会 (津)
日中交流展 (日本,中国)
2001 金沢わんone大賞2001 (金沢)
風の街の造形展2001 (神戸ハーバーランド・神戸)
陶器二人展 (ギャラリー北野坂・神戸)
2003 Ceramic Site (ギャラリー白・大阪)
CONTACT ACT 2−日韓若手陶芸作家交流展
(滋賀県立近代美術館ギャラリー・滋賀)
比良から新しい風が… (比良美術館・滋賀)
2004 Ceramic Site 2004 (ギャラリー白,ギャラリー白3・大阪)
2005 Ceramic Site 2005 (ギャラリー白,ギャラリー白3・大阪) |
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