■ 金理有展



□ コメント
「制作コンセプト」
永遠なる時間軸、無限なる空間において、自らがどこから来てどこへ行
くのか定かなことは解らない。現実の社会生活は四苦八苦に満ち、自我
が虚無化してゆく。
自らの脳内にある、形はないが確かに存在するイメージ。それを物質に
置き換えるという行為は、目には見えない自我をより確かに感じようと
する欲求の表れではないだろうか。
産み落とされた物体には、創作者の思考、嗜好、志向が暗号のように編
み込まれている。見る目がある、という言葉はその物質的暗号の読解能
力の高さを指すものであろう。
しかし物体はあくまで記述であり、自我そのものではありえない。外骨
格で覆われた陶の立体の内側、その虚ろが示すように、さらなる虚無感
を生み出すのである。
しかし私は強靭なる意志をもって繰り返す行為の中に強さのニヒリズム
を見出したい。世界を、自らが生きる世界を肯定する強さを持ちたい。
「以下Wikipediaより抜粋」
宇宙(universe)とは森羅万象(あらゆる物事)を含む天地の全体、世
界を指す。漢代の書物「淮南子天文訓」によると「宇」は空間全体をさ
し「宙」は時間全体(過去、現在、未来)を意味し「宇宙」で時空(時
間と空間)の全体を意味する。
哲学、宗教的観点からみた場合、宇宙全体の一部でありながら全体と類
似したもの(人間などをそう捉えるときがある)を小宇宙と呼ぶのに対
して宇宙全体のことを大 宇宙と呼ぶ。
「造形に関して」
陶本体の造形、装飾は自身が好んできた様々なものに影響
を受けてのものです。例えば陶器、銅器などの古代祭器、SF、マンガ
やアニメ、昆虫、武具、HIPHOPカルチャーなど、数え上げればキ
リがありません。
これらの要素を、HIPHOPで言うところのサンプリング(抽出)&
リミックス (統合)しています。
断片的なものが統合されているので、見る人によって何に見えるかは異
なってくると思います。
その「何に見えるか」が、あなたとわたしの共通項かも知れません。


□ 略歴
1980 大阪府生まれ
2004 大阪芸術大学芸術学部工芸学科陶芸コース卒業
2006 大阪芸術大学大学院芸術制作研究科修士課程造形芸術研究分野
   修了

個展
2004 STINKY FLAVOR           (ギャラリー白3・大阪)
2005 金理有TOUGEKI展
           (カフェ&ギャラリーGARASHA・京都)
2006 宇宙で迷子。LOST IN THE UNIVERSE. (ギャラリー白3・大阪)

グループ展
2002 DOWN TOWN      (club DOWN・大阪)
2003 Pulling from the earth     (インテックス大阪・大阪)
2004 大阪芸術大学選抜展        (マイドーム大阪・大阪)
   いけばなコラボレーション      (OAPタワー・大阪)
   秩序と反秩序             (比良美術館・滋賀)
   第5回益子陶芸展         (益子陶芸美術館・栃木)
2005 第3回66展−近代建築とアート  (細野ビルヂング・大阪)
   国際陶磁器展美濃’05 (セラミックパークMINO・岐阜)
   CONTACT4       (滋賀県立近代美術館・滋賀)
   亀岡あかりアートプロジェクト    (すみや亀峰菴・京都)
2006 第18回織部の心作陶展      (セラトピア土岐・岐阜)
   アートと技の競演−くらしの工芸展
                  (近鉄百貨店アート館・大阪)
   第46回日本クラフト展(東京駅丸の内口丸ビルホール・東京)
   第4回66展−近代建築とアート  (細野ビルヂング・大阪)
   朝日陶芸展                  (大阪ほか)
   SPICY LIFE!!     (ギャラリー百音・大阪)

その他
2004 関西国際空港にて4ケ月間作品展示  (関空ラウンジ・大阪)
2005 関西国際空港にて4ケ月間作品展示  (関空ラウンジ・大阪)