■ イメージの新様態 XVII−やきのものイメージ


□ コメント
私たちの生活に深く関わり、長い歴史を持つやきものから呼び起こされ
るイメージには何があるでしょう。器、調理器具、置物、建築材料、衛
生陶器、発掘品、最先端素材という物が呼び起こされる一方で、伝統、
高級、量産、壊れやすい、硬い、腐らない、熟練の技術などという概念
的なイメージもあげられます。あるいは、やきものそのものの素材や制
作の過程を想像し、粘度、柔らかい、大地、炎、熱い、偶然生なども連
想されるかもしれません。
本展は、やきものが内包するイメージを巧みに作品に取り込み、独自の
表現をする作家の作品で構成されます。作り手たちの作品の中でも、や
きものという素材が持つ特性、背景、プロセスが考慮されたものではあ
りますが、暮らしの中の視点から生み出されたものでもあるのです。作
品にある違和感や新鮮さは、変容されたイメージであり、今を生きる作
家自身の問いであると同時に、私たちへの価値を問うものでもあるので
す。

□ 尹麗娟


□ 略歴
1961 香港生まれ
1999 香港中国美術大学修士課程修了

個展
1998 ワン・ライ・クェンによる陶芸作品         (香港)
2000 青と白         (ギャラリー・マルティーニ・香港)

主なグループ展
1992 フレテハー・チャレンジ陶芸賞     (ニュージーランド)
   現代香港芸術隔年展’92             (香港)
1994 国際陶芸フェスティバル展             (愛知)
1996 香港陶芸1985年〜1995年              (香港)
   現代香港芸術隔年展’96             (香港)
1999 フィリップ・シャニオール財団芸術コンペ展   (ウィーン)
2007 イメージの新様態 XVII−やきもののイメージ
          (ギャラリすずき・京都,ギャラリー白・大阪)

□ 宮本ルリ子


□ 略歴
1963 岡山県生まれ
1985 大阪芸術大学芸術学部工芸科卒業
1987 多摩美術大学大学院美術研究科修了

個展
1994 人為・天意−紙のシリーズ      (ギャラリー白・大阪)
1996 記録の記録             (ギャラリー白・大阪)
   紙という神が書く疎水    (ギャラリーはねうさぎ・京都)
2001 廻る砂曼陀羅−花花世界     (ギャラリーそわか・京都)
2005 宇宙からの答え−わたしからの  (ギャラリーすずき・京都)

グループ展ほか
1992 野外制作’92−陶芸の森「人為・天意’92」   (滋賀)
   ['93,'94]
1993 セラミック・アネックス・シガラキ’93
                  (滋賀県立近代美術館・滋賀)
                   (信楽伝統産業会館・滋賀)
1996 人為・天意−記録の消去        (今立芸術館・福井)
1998 Time Less Rosary−京を創る      (金戒光明寺・京都)
2001 三浦美術館大賞展           (三浦美術館・香川)
2007 ようこそたぬき御殿へ   (滋賀県立陶芸の森陶芸館・滋賀)
   イメージの新様態 XVII−やきもののイメージ
          (ギャラリすずき・京都,ギャラリー白・大阪)

企画 宮本ルリ子
主催 ギャラリーすずき
協力 ギャラリー白