□ コメント
Natural depth−絵画がもともと持っている生命の深さ
「根ふかければ枝さかえ、源遠ければ流れ長し」とは天台大師が「甚深
無量」(法華経方便品第二)について述べたことば。まったく道理だ。
「流れ長し」とは未来長く。ことばを変えれば、その絵画に永遠を獲得
させるということ。それは可能だと思っている。
大仰なことを言うのは止めて、私が気になっている絵画は海北友松の七
賢人。あるいは、ヨーロッパのどこかの教会にある、その壁自体のヒビ
割れ、崩落を止めるために、必要に迫られ画面上に漆喰もしくはセメン
トが塗りたくられた、キリストの物語が描かれている古い古い壁画。
その他、気になっているのは前庭の水溜まりに飼っている鯉の稚魚。そ
して、その庭に造っているビオトープ(バタフライ・ガーデン)のキア
ゲハの幼虫、ルリタテハの蛹。−などなど、小さいけども甚だ深いであ
ろうそれらの生命。 |