■ 高橋徳雄展


□ コメント
「個別化する」
ふた昔前にマイケル・フリードが絵画としてのアイデンティティーを決
定するものは云々(芸術と客体性)言っていたが、その決定以前に立ち
戻って、これを抜きにしてはアイデンティティーはありえない、つまり
個別化するということがなければ成立しないということ。だが、もちろ
ん、かの諸作品、絵画についてアイデンティティーの欠如などを言って
いるのではない。私なりにやってみようとしているだけである。絵画の
個別化、「この絵」と「この絵ならざるもの」−人間でいえば自我の個
別化(「分裂病の現象学」木村敏著 弘文堂)という作業を 経る必要が
ある。
マチス、ステラ、ポロックなどが絵画の生命を言っているのだが、絵画
の生命という観点から言えば、絵画と壁とは而二不二(ににふに=ふた
つであって、しかも、ふたつにあらず)、魚と水のように切り離せない
関係にある。こうも言える、依正不二(えしょうふに=主体とそれを取
り巻く環境とは一体不二であって、別々にあるのではない)、さらに主
客不二としてある。こういった関係性を踏まえたうえで、絵画を主体と
して個別化を図った場合、「先ず何らかの壁があって、そこに絵画が来
る」のでは決してない。あくまでも「絵画が壁を決定する」のだ。言わ
ば矩形の内部の問題に加えて、この絵は「どのような壁に」、「如何様
に」在ろうとするのかが重要な問題として浮かび上がってくる。
壁に絵が在るということは、その絵の個別化、すなわちその絵を取り巻
く環境(壁もそうだが、観者、他の絵等々)とは一体不二として在ると
いう、矛盾を抱えて在ることになる。だがしかし、成熟した個別化が図
られなければ不二とはならない(自閉する)だろうし、それが成就され
た時こそ「WHAT A WONDERFUL WORLD」と なるのであろうと思われる。


□ 略歴
1951 兵庫県生まれ

個展
1979 東門画廊                     (神戸)
1980 ギャラリー16                  (京都)
1981 信濃橋画廊                    (大阪)
1982 ギャラリー16                  (京都)
   信濃橋画廊                    (大阪)
1983 信濃橋画廊                    (大阪)
1984 信濃橋画廊                    (大阪)
1985 シティギャラリー                 (神戸)
   信濃橋画廊                    (大阪)
1986 信濃橋画廊                    (大阪)
1987 信濃橋画廊                    (大阪)
1989 信濃橋画廊                    (大阪)
1990 信濃橋画廊                    (大阪)
1992 信濃橋画廊5                   (大阪)
1993 画廊ポルティコ                  (神戸)
1994 信濃橋画廊                    (大阪)
1996 信濃橋画廊エプロン                (大阪)
1998 信濃橋画廊5                   (大阪)
2000 シティギャラリー                 (大阪)
2001 信濃橋画廊5                   (大阪)
2003 信濃橋画廊                    (大阪)
2005 信濃橋画廊                    (大阪)
2006 信濃橋画廊5                   (大阪)
2007 ギャラリー白3                  (大阪)
2008 ギャラリー白3                  (大阪)

グループ展
1979 明日へのメッセージ展     (さんちかギャラリー・神戸)
1982 ’83へ・・             (信濃橋画廊・大阪)
1983 積極的なタブロー展    (神戸現代美術ギャラリー・神戸)
1986 Art Bridge     (さんちかギャラリー・神戸)
1988 絵画論的絵画−力としてのイメージ  (ギャラリー白・大阪)
   兵庫の美術家         (兵庫県立近代美術館・神戸)
1999 5 VISIONS         (信濃橋画廊5・大阪)
2001 「8」         (大阪府立現代美術センター・大阪)
2007 アラキヒロユキ・高橋徳雄−Passing by…
                    (ギャラリー白3・大阪)
   Passing by…      (ギャラリー島田・神戸)