泉茂版画展
Shigeru Izumi


2009.2.9-2.21 ギャラリー白3




□ 略歴

 

 1922(大正11)年、大阪に生まれた氏は、大阪市立工芸学校(現在の大阪市立工芸高等学校)を卒業し、画家を志しました。
 第二次世界大戦のため、画家としての出発は20代半ばからとなりますが、1951(昭和26)年には「デモクラート美術家協会」の結成に参加し、活動の場を広げていきます。同会の中心人物であった瑛九らの影響をうけ1953(昭和28)年から銅版画を、その2年後からは石版画をほとんど独学で作りはじめています。
 シュルレアリスムを通過した叙情的な作品が評価され、1957(昭和32)年には第1回東京国際版画ビエンナーレ展で新人奨励賞を受賞するなど活躍しました。しかし新たな展開を期して1959(昭和34)年ニューヨークに渡り、さらに1963(昭和38)年にはパリに移って、筆跡を緻密に描き直す抽象的な絵画へと作風を大きく変化させました。
 1968(昭和43)年に帰国してからはエアブラシを用いて光沢ある表面や、円や三角形などの基本的な形態をテーマに様々な表現を追求するなど、常に新たな表現に挑んでいます。また、大阪芸術大学教授として多くの後進の育成にもあたりました。
 1980年代の後半からは、雲形定規の形を利用した作品に新たな展開を求めていましたが、1995(平成7)年5月11日、享年73で没しました。