普段からよく目にしていてもふとしたきっかけで急に目が留まり、シチュエーションが思い浮かぶものから順番に制作しています。
なので、正直なところ作品同士の意味の繋がりはとくにありません。
しかし、最近になって「いい加減HPくらい作らないとダメだ!」と思い、過去の作品をまとめる機会があった際、今まで脈絡無く作り続けてきた作品の中にも意識すると共通点らしいものが見えてきた。
それは「人の気配」である。
私の作品モチーフになっているものの殆どが、工業製品や人が作り出した人工物。
そういった人為的に作り出されたものには「人あっての物」という前提があり、人との繋がりによってそこに存在するものたちである。
それらは、どういった人が扱うかによって同じものでも多種多様な表情やシチュエーションが生まれる。
自分が目にしたものは工業製品かもしれないが、そこから見えてくるものは、使用者の姿や性格、性別などそこに存在している(していた、またはしていたかもしれない)人間をイメージしていることに気が付いた。
塗装作業をしている人、ほったらかしにされた状況、「これはこうである」という思い込み、ひょっとしたらこれってこんな感じに思われているかも、等々。
それら全てが僕の作り上げた勝手なイメージである。
そんなイメージから生まれた作品を通して、鑑賞者の中に「増田敏也」という人間が少しでもイメージしてもらえたらなぁと、勝手にイメージしております。
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