木野 智史 展
KINO Satoshi


2013.1.14-1.26 (1.20 close)
ギャラリー白3



空(くう)を切る、自己の存在

磁土をロクロで挽くことで生まれる造形の可能性を探りながら、自らの世界観を示す詩的なイメージを喚起する「空間」を創造すること−ここでいう空間とは、素材と作者からそれぞれに匂い立つ「気配」といえるものかもしれない。木野の作品には、静かに周囲の空気を震わせ、回転を続けるロクロのリズムと、静けさを破るようにして、ふと回転が止まった瞬間に現れるかたちが、その揺らぎの余韻を残したまま留められているように見える。そこに、木野はしばしば「切る」という行為を加える。緊張感のあるラインを敢えて破ることで、空(くう)を切るようにして、自己の存在を顕示しているのだろうか。私は、一見、無垢で繊細そうに見える彼の作品の内部に、じつは原初的で力強いエネルギーが潜んでいるのを感じている。そのエネルギーが今後、どのように吹き出していくのか。新世代による陶の造形の未来を、剥き出しの自己で逞しく切り拓いていってほしい。

マルテル坂本牧子(兵庫陶芸美術館学芸員)



□ 略歴

1987

京都府に生まれる

2010

京都精華大学芸術学部素材表現学科陶芸科卒業

2012

京都市立芸術大学大学院陶磁器科修了

現在

京都市立芸術大学陶磁器科非常勤講師

 

個展

2010

ギャラリー白3

(大阪)

2011

ギャラリー白

(大阪)

2013

ギャラリー白3

(大阪)


グループ展

2004

美工作品展

(京都市美術館:京都)

2005

美工作品展

(京都市美術館:京都)

2006

美工作品展

(京都市美術館:京都)

2008

京都精華大学陶芸二回生進級制作展

(ギャラリーマロニエ:京都)

2009

陶芸23区

(ギャラリーマロニエ:京都)

 

おしながき展

(くらふとギャラリー集:大阪)

 

京都同時代学生陶芸展

(元 立誠小学校:京都)

2010

京都精華大学 卒業・修了制作展

(京都市美術館:京都)

フタのある形 part2

(ギャラリーヴォイス:岐阜)

2010アジア現代陶芸展

(弘益大学校現代美術館:韓国)

 

京都同時代学生陶芸展

(元 立誠小学校:京都)

2011

京都市立芸術大学制作

(京都市美術館:京都)

イケヤン☆チャリティー展

(Gallery Petitluxe:東京)

賀茂観月祭

(上賀茂神社:京都)

2011アジア現代陶芸展

(広東石湾陶磁博物館:中国)

2012

京都市立芸術大学制作展

(京都市美術館:京都)

陶芸の提案2012

 

(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪/JR大阪三越伊勢丹:大阪)

 

わんの形

(ギャラリーヴォイス:岐阜)

 

十人十色

(ギャラリー緑陶里:栃木)

 

陶のかたち

(ギャラリー北野坂:兵庫)

 

あなたが選ぶ真夏の冷酒杯

(ギャラリーカフェ京都茶寮:京都)

 

RELEASE/SEE

(Zen Art Space:アメリカ)

 

セカイノウツワ

(うつわ屋めなみ:京都)

 

2012アジア現代陶芸展

(新北市立鶯歌陶瓷博物館:台湾)


公募展

2008

via art OSAKA 2008

(サンケイブリーゼタワー:大阪)

2010

京都府美術工芸新鋭展 京都工芸ビエンナーレ

 

(京都文化博物館:京都)

2011

神戸ビエンナーレ 2011 現代陶芸コンペティション

 

(兵庫陶芸美術館:兵庫)

第6回 月のアート展

(ギャラリー月の庭:京都)

第9回 国際陶磁器展美濃

(セラミックパークMINO:岐阜)

第30回 長三賞常滑陶芸展

(愛知県陶磁資料館:愛知)

第26回 国民文化祭・京都2011美術展「工芸」

 

(南丹市立文化博物館:京都)

2012

京都府美術工芸新鋭展 京都美術工芸ビエンナーレ

 

(京都文化博物館:京都)

全国クラフト展

(あわぎんホール:徳島)


受賞

2011

第6回 月のアート展<準優秀賞>

 

 

第26回 国民文化祭・京都2011美術展「工芸」<奨励賞>

 

2012

京都市立芸術大学作品展<奨励賞>

 

 

第7回 月のアート展<審査員優秀賞>

 

 

陶磁器の島AMAKUSA陶芸展<審査員特別賞>