|
|
|
|
|
|
|
|
|
■ |
山本 修司 展 YAMAMOTO Shuji テキスト:三井 知行 |
|
2015.7.6-7.18 (7.12 close) ギャラリー白3
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
山本修司は何ものではなくなったか |
画家でも写真家でもないのに、写真をもとに絵画のような作品を制作し、彫刻家でないのに石を使って立体を作っている山本修司。その彼が、版画家ではないのに自称「版画」の作品を制作したという。以前私は「何ものではないか」という視点から彼の紹介文を書いたことがあるが、山本修司が画家や彫刻家など「何もの」にもならず、さまざまな手法を行きつ戻りつしながら追求しているものは一体何だろう?
その核心については、本人とて満足のいく理解に達していないからこそ探求を続けているのだろうし、ましてや他人が短い紙幅で語り得るものではないだろう。それでも最近の作品を見ていると、共通項として「水」があることに気づく。それも水平(線)や光の反射など物理的な「境界面」をもたらすものとしての水である。
境界面もまた「何ものでもない」存在である。そこには何か膜のようなものがあるのではない。境界面は量的にはゼロである。しかし山本修司はその「何ものでもない」境界面を表現している。時には水面=光の反射の集積として、ある時は石をつなぎ合わせることでたち現れる水平面として。
新たに始められた「版画」シリーズも、見た目的には「絵画」と大きく異なるものではない。技法的には版となる写真(カラーコピー)にシンナーを吹き付けることで、下に敷いた本紙にトナーを「透過」させているという。これまでの「絵画」や石の作品では、制作方法も、その結果としての作品も、境界面は反射面(水の外からの視点)として扱われてきた。しかし「版画」では、完成した作品には、反射面としての境界面があらわれているが、技法的には透過的(水の中から/中への視線)であり、これまでにないアプローチのように思われる。この変化が大きな転機となるかどうかは今のところわからない。本人によると、「版画」シリーズは、「絵画」の行き詰まりを打破するために始められ、一定の成果が得られた現在は(版画も継続しつつ)再び「絵画」に向かえるようになったという。
画家・写真家・彫刻家に次いで版画家でもなくなった山本修司は、その「何ものでもなさ≒山本修司らしさ」に磨きをかけ、大阪、そして韓国・大邱での個展に臨む。
|
(大阪新美術館建設準備室学芸員 三井知行) |
|
|
Atomoscape「気配の情景」
それは、モノの内と外を自由に行き交う霊的なイメージを持っています。
私達は、「八百万の神」という感覚を昔から自然の中に潜ませ、畏れや恵みを
感じ祈る風習をもっていました。
この感覚は、無意識に偏った思考とのバランスをとるとても重要な要素だと
思っています。
具体的には、山歩きをし、気配(古からの営み)を感じる場所で写真を撮り
キャンバスにプリントし、そこに加筆してゆきます。
これは、瞬間で撮られた画像に服従しながら塗り替えていく、徒労に近い作業ですが、この一瞬の隙間から自然の中に入り込み、表皮を撫でることが、
気配を浮び上らせるとても大切な行為と感じています。
|
2015,7 山本 修司 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
□ 略歴
|
1959 |
愛媛県生まれ |
1982 |
大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業 |
|
個展 |
1980 |
田都画廊 |
(愛媛) |
1981 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
1983 |
信濃橋画廊 |
(大阪) |
1984 |
信濃橋画廊 |
(大阪) |
|
信濃橋画廊 |
(大阪) |
1985 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
1986 |
信濃橋画廊 |
(大阪) |
1990 |
信濃橋画廊 |
(大阪) |
1995 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
1996 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
1997 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
1998 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
2000 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
2002 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
2004 |
ギャラリー白/ギャラリー白3 |
(大阪) |
|
ロードサイドミュージアムさき104 |
(広島) |
|
ミュゼ里山房 |
(愛媛) |
2005 |
ギャラリー白/ギャラリー白3 |
(大阪) |
|
Traffic 5-ファッションと美術のTraffic-5つの個展 |
(海岸通りギャラリーCASO:大阪) |
2006 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
2008 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
2009 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
2010 |
ミュゼ里山房 |
(愛媛) |
|
ロードサイドミュージアムさき104 |
(広島) |
|
信濃橋画廊 |
(大阪) |
|
ギャラリー白3 |
(大阪) |
2011 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
2012 |
ギャラリー白 |
(大阪) |
2013 |
ギャラリー白3 |
(大阪) |
|
山本修司作品展 木洩れ陽の宇宙U |
(尼信会館:兵庫) |
2014 |
ギャラリー白 (1.20-2.1) |
(大阪) |
|
ギャラリー白 (10.6-10.11) |
(大阪) |
2015 |
ギャラリー白3 |
(大阪) |
グループ展 |
1981 |
現代美術ING |
(紀ノ国屋ギャラリー:愛媛) |
1983 |
Lunatic Room Exhibition |
(神戸現代美術ギャラリー:兵庫) |
|
YES ART 2 |
(ギャラリー白:大阪) |
|
Just Nice-To-Have Pieces |
(ギャラリーエスプリヌーボー:岡山) |
1995 |
洛外芸術展 |
(ギャラリー白:大阪) |
|
洛外芸術展IN大邸 |
(ギャラリーシーラ:韓国) |
1996 |
洛外芸術展 |
(ギャラリー白:大阪) |
1998 |
冩 |
(ギャラリー白:大阪) |
|
アーケードアーツ イン ナカマチ |
(中町商店街:滋賀) |
2001 |
アートマルシェ |
(大阪国際会議場:大阪) |
|
冬の座 |
(ギャラリー白:大阪) |
|
風と大地 |
(アートギャラリーフジハラ:大阪) |
2002 |
同時代の作家達 |
(ギャラリー千:大阪) |
2003 |
平成十五年冬の座 |
(ギャラリー白:大阪) |
2004 |
春の座 |
(ギャラリー白:大阪) |
2005 |
春の座 |
(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪) |
2006 |
冬の座 |
(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪) |
|
グループ展 |
(仁川学園図書ギャラリー:兵庫) |
2007 |
冬の座 |
(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪) |
|
百花繚乱展 |
(兵庫県立美術館ギャラリー:兵庫) |
|
美術における自然展 |
(海岸通ギャラリーCASO:大阪) |
|
架空通信 百花繚乱展 |
(兵庫県立美術館ギャラリー:兵庫) |
2008 |
冬の座 |
(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪) |
|
架空通信 百花繚乱展 |
(兵庫県立美術館ギャラリー:兵庫) |
2009 |
冬の座 |
(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪) |
|
新たなる架空通信展 |
(兵庫県立美術館ギャラリー棟:兵庫) |
|
架空通信 百花繚乱展 |
(兵庫県立美術館ギャラリー:兵庫) |
2010 |
ミルコトカラハジマル 自然との対話 |
(愛媛県美術館:愛媛) |
|
冬の座 |
(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪) |
|
画廊の視点 gallerism 2010 |
|
(大阪府立現代美術センター:大阪) |
|
架空通信 百花繚乱展 |
(兵庫県立美術館ギャラリー:兵庫) |
2011 |
架空通信 トリビュート |
(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪) |
|
THINK FUTURE@子供たちの子供達の子供たちへ |
|
(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪) |
|
生誕100年 津高和一 架空通信展 |
|
(西宮市大谷記念美術館:兵庫) |
|
japan play |
(2kwギャラリー:大阪) |
2012 |
尼崎アートフェスティバル2012 |
(尼崎総合文化センター:兵庫) |
|
MAX PAINTINGS |
(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪) |
2013 |
MAX PAINTINGS 2.0 |
(ギャラリー白/ギャラリー白3:大阪) |
|
尼崎アートフェスティバル2013 |
(尼崎総合文化センター:兵庫) |
|
|
|