ignis
近年、小型カメラを用い、瞼(まぶた)を通した光を撮影した作品を制作しています。
本展「ignis」はラテン語で「火(焔)」を意味し、蝋燭の火(焔)を被写体とした作品を展示します。
作品コンセプトの参考として以下の言葉を引用します。
ガストン・バシュラール:
「焔はわれわれをして初めて見るようにとさし招く。われわれはそれについての無数の思い出をもち、
それについて、まさに、ひとつのきわめて古い記憶をもつ者として夢見るのだが、しかもわれわれは
万人と同じようにそれを夢見るのであり、万人が思い出すように思い出すのである。その時、焔を前
にした夢想の最も恒常的な法則のひとつに従って、夢想家は、もはや単に彼自身のものばかりでは
ないひとつの過去、世界の最初の火の過去のうちに生きるのだ」
ガストン・バシュラール(1966). 『蝋燭の焔』、渋澤孝輔(訳)、現代思潮新社、p.9より引用
2018.2 山下真人
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